倉庫を有効的に活用しようと思えば、保管効率(収納効率)を改善して無駄なスペースを減らすことが大切です。このページでは、倉庫の保管効率を改善するためのポイントや方法について、理論値の考え方から実態の分析や効率的な利用法まで分かりやすく解説していますので参考にしてください。
倉庫の保管効率の改善を目指すためには、そもそも倉庫がどの程度まで収納できるのか具体的に把握しておくことが不可欠です。
収納可能なスペースを単純に考えれば、倉庫内の空間の体積と考えることができます。ただし、実際には体積をそのまま収納可能スペースとして考えることはできません。
保管品の形状やサイズ、また積み方などによって保管パレット数や間口数が異なる空です。
なお、作業空間や通路について確保することも必要です。
倉庫の空間体積や面積から理論値を考えた上で、現状の収納量と比較してギャップを考えます。ギャップが多ければ多いほど倉庫の空間を無駄づかいしているということになり、言い換えればギャップを減らして収納量を改善することで、倉庫機能の効率化が可能です。
平面ロスとは文字通り、倉庫内で倉庫の保管スペースとして利用できない平面を指します。例えば作業員やフォークリフトが移動する通路や出入り口、倉庫内の設備のメンテナンスに必要なスペースなど、管理用に欠かすことのできない平面などを指しています。必要なスペースですが、いかに無駄なく設置できるかは課題でしょう。
なお、理由もなく空いているスペースについては解決すべきロスと考えることが可能です。
倉庫の天井部分の空間はしばしば空間ロスになりやすくなります。
天井空間は保管品を高く積み上げることで効率的に利用できますが、天井付近まで保管品を積み上げると転倒リスクが発生したり、そもそも荷物の積み下ろしの負担が大きくなったりします。そのため、高さロスは単に空間的な問題だけでなく、技術的・設備的な観点からも考えなければなりません。
山欠けロスとは、例えば倉庫内に並べられている棚やラックにおいて、商品が収納されていないスペースを指します。
ラックをどれだけ効率的に並べても、ラックの棚に保管している商品同士のスペースが空いていたり、きちんと整理整頓されていなかったりすれば、山欠けロスが発生して結果的に保管可能数が減り、保管効率が悪化してしまうことも問題です。
倉庫の保管効率を改善させる最も単純な方法は、倉庫内を整理整頓して無駄なスペースを少しでも減らすことです。保管品の並べ替えや積み替えを行うなど整理整頓すれば、山欠けロスや平面ロス、高さロスなどを解消して保管効率を改善できます。また、保管品の数量チェックや保管場所の把握なども行えて、管理運用面においても効率化を進めることが可能でしょう。
倉庫の中にはひんぱんに出荷する商品や保管品があれば、滅多に出荷されないものまで様々なものがあります。
例えば、出荷頻度の高いものであれば倉庫の手前に保管するようにして、滅多に入れ替え作業が必要ないものであれば倉庫の奥に保管するといった、作業効率や出荷頻度を考慮した整理整頓も重要です。なお、単に出荷頻度だけで保管場所を考えるのでなく、あくまでも「作業のしやすさ」を前提にしましょう。
保管用の棚やラック、保管什器などの種類を改善することも大切です。例えば背の低い商品を保管するために、それぞれの棚の高さが高いラックを採用してしまえば、高さロスのような空間ロスが増大します。一方、あまりにもサイズにぴったりの棚では入れ替え作業がやりにくくなるので、余裕を持たせることも大切です。
計量棚や中軽量ラック、中量ラックといったものは分解・組立が容易で、棚板の位置を変えることで高さ調節なども行えるラックです。これらのラックを活用することで山欠けロスや高さロスを解消して、倉庫の保管効率を改善できます。
ただし、これらの棚やラックは一般的に耐荷重量が小さくなっており、重い荷物を保管するには適していません。また転倒リスクにも配慮してください。
パレットラックは一般論として、パレット単位で荷物を保管するためのラックです。棚ごとの耐荷重量が500kgを超えるものもあり、重量物でも安心して保管できます。
組立や分解についても軽量棚・中軽量ラック・中量ラックなどと同様にそこまで複雑でなく、保管するアイテムの形状やサイズによって任意の状態へ調整できることはポイントです。
積層ラックとは、ラックの途中に床材が設置されており、ラックが中二階の形状になっているものです。床材の上はもちろん、床材の下にある空間も保管スペースとして利用できます。
積層ラックには複数の種類があり、中には昇降機が付属していて高い位置にある保管品の出し入れを行いやすいといったものもあり、天井の高い倉庫で用いられるケースが多いのが特徴です。
高層ラックは文字通り高さのあるラックです。
高層ラックは高さロスを解消して保管効率を改善する上で有効なラックです。ただし、高重量の保管品を高い位置に保管するのは作業負担が増大するため、一般論として高層ラックは比較的軽量な保管品を収納することに適しているとされています。
なお、高層ラックは人間の手の届かない高さにまで保管品を並べるため、高い位置へアプローチする仕組みが不可欠です。
移動ラックは床にレールを設置して、そのレールに合わせて棚自体が移動可能な設備です。通常の棚であれば棚と棚の間に通路が必要ですが、移動ラックであれば普段は棚と棚を密集させておき、必要に応じて任意の棚を移動させて通路の位置を変えられるため、平面ロスを大幅に解消できます。
反面、移動ラックの設置には棚の購入だけでなく施設そのものの改造をすることが必要になり、相応のコストが発生します。
プッシュバックラックとは、例えばコンビニで飲料を陳列している棚のようなケースです。背面から荷物の出し入れを行うことが可能であり、前面に利用者を置いたまま商品の補充などをバックヤードで行えることが特徴です。
システム上、必然的に後入れ先出し法が実践されるため、保管効率を高められるだけでなくロット番号や賞味期限などの管理も容易になります。また、商品の出し入れ時に業務を停止させなくて良い点も魅力です。
倉庫システムによって在校情報や保管状況を一元管理している自動倉庫システムであれば、倉庫内の適した保管環境を構築しやすくなり、収納だけでなく作業効率を追求していくことが可能です。
ただし、自動倉庫を導入して倉庫そのものの性能が向上しても、実際に保管するものと倉庫の内容がマッチしていなければ逆にロスが広がる恐れもあり、きちんと利用ニーズとのマッチングを行うことが欠かせません。
保管効率(収納効率)を改善することで、より多くの在庫を確保できるようになったり、取り扱える商品の種類を増やしたりといったことが可能になります。
しかし、保管効率の改善ばかりを目指して作業のしやすさを無視すれば、保管品を探しにくくなったり入れ替えに余計な時間がかかったりと、作業効率が悪化してしまうかも知れません。
倉庫の保管効率を改善する目的は、あくまでも事業としてのメリットを追求するためです。そのため、作業効率を悪化させて生産性を低下させてしまうリスクは避けることが肝要です。
保管効率(収納効率)と作業効率のバランスの最適化を自社で行えない場合、専門家に相談したり自動倉庫を導入したりといったプランも有効でしょう。
引用元:西部電機公式HP
https://www.seibudenki.co.jp/
引用元:ダイフク公式HP
https://www.daifuku.com/jp/
引用元:村田機械公式HP
https://www.muratec.jp/
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参照元:ダイフク公式HP(https://www.daifuku.com/jp/company/news/2023/0516_01/)
村田機械:調査した会社の中で半導体製造において唯一クリーンルームの製造から管理配送までワンストップで対応
※1 参照元:西部電機マテリアルハンドリングシステム