このページでは、冷凍冷蔵庫を建設する際のポイントや、冷凍冷蔵庫へ自動倉庫システムを導入する際のメリットや注意点について解説しています。効果的な自動倉庫システムの導入で冷凍冷蔵庫の活用性を追求するためのポイントを把握しておきましょう。
冷凍冷蔵倉庫は文字通り冷蔵庫としての機能と冷凍庫としての機能を兼ね備えた倉庫であり、生鮮食品や冷凍食品、または医薬品や化学薬品など温度管理を必要とする製品の保管に適しています。
冷凍冷蔵倉庫は取り扱う保管品の特徴や倉庫として必要とされる機能といった特性から、新しく倉庫を建築したり自動倉庫システムを導入したりする際には確実な性能の動作と維持が重要です。
冷凍冷蔵倉庫を建築する上で、温度管理を正確に行うためのエアコンや空調管理システムといった設備は欠かすことができません。また、冷凍冷蔵倉庫では一時的でなく継続的に温度管理を維持することが必要となっており、温度調節機能を十分に備えているだけでなくメンテナンス性やランニングコストについても把握した上で比較検討を進めていくことがポイントになります。
なお、目的とする保管品に合わせて管理可能な温度の範囲が異なる点も要チェックです。
倉庫内の温度が適切に保たれているのか、客観的に視覚化するための温度計も不可欠です。また、温度計は倉庫内に設置するだけでなく、倉庫の外からでも温度をチェックしてトラブルの有無を確認できるように設定しておくことが望ましいでしょう。
温度計と各種システムを連動させることで、異常温度を検知した時にアラームを鳴らしたり、温度変化を収拾してデータ化したりといったことも可能となります。
ドッグシェルターとは、冷凍冷蔵倉庫の搬入口と、保管品を運搬してきた車両の荷台などを空間的に連結して温度管理をサポートする気密装置・設備です。
保管品の搬出入時に車両の荷台を搬入口・搬出口に密着させ、内外の温度差を解消して温度変化を予防するために役立ちます。また、ホコリや害虫といった不純物の倉庫への混入や侵入を防ぐために使われることも重要です。
冷凍冷蔵倉庫では倉庫内が低温状態に保たれており、たとえばトラブルが発生して倉庫内に作業員が取り残されたり閉じ込められたりした場合、命の危険が発生するリスクもあります。
倉庫業法施行規則では、倉庫内の要所に倉庫の内外を連絡するための通報機やその他の設備を設置することが義務づけられており、適切な通報システムや管理システムを導入することが必要です。
通報システムには非常ベルや非常電話などさまざまなものがあります。
冷凍冷蔵倉庫を建築する際には、あらかじめ法令によって規定されている構造設計や基準を満たさなければなりません。ここでは冷凍冷蔵倉庫の実現に必要とされる各種基準についてまとめていますので参考にしてください。
消防法第17条において、倉庫は消防法防火対象物として定められており、適切な防火構造を設計したり消火設備などを設置したりしなければなりません。きちんと消化・防火構造や関連設備を用意していない場合、消防署の立ち入り検査によって倉庫の使用が禁止されたり改善命令を出されたりすることもあるため、必ず事前に確認しておくことが重要です。
火災発生時にスムーズな避難活動が叶えられるよう、動線の確保に気をつけることも大切です。
倉庫の屋根や外壁からの雨水の侵入・浸透を防ぐため、防水管理を意識して構造を設計することも欠かせません。実際、国土交通大臣からの通達によって、倉庫施設の構造や設備は水の侵入を防げるものであることが定められており、適切な設計や対策が必要です。
関連設備として、屋根に水がたまらないように雨樋などの装置を設置することも重要です。冷凍冷蔵倉庫では保管品の品質管理や安全対策としても雨水や汚水の侵入を防ぐように配慮します。
ルールとして、冷凍冷蔵倉庫を建築する際には床面の強度を「3,900N/㎡以上の積載荷重」に耐えられる構造として設計しなければなりません。実際に必要な耐荷重の性能や数値については保管品の内容や棚などの設備についても考慮した上で計算することが不可欠です。
床の強度に関する内容は倉庫業法施行規則等運用方針によって規定されており、詳細な基準をあらかじめチェックしておいてください。
法令や規則によって定められている基準の他にも、冷凍冷蔵倉庫を建設するためには様々な面に配慮しなければなりません。ここでは冷凍冷蔵倉庫を建設する際に注意すべき内容をまとめました。
冷凍冷蔵倉庫では霜や結露、湿気に関する対策が不可欠です。
倉庫内の温度が氷点下に達する冷凍冷蔵倉庫の場合、霜や結露への対策がきちんと行われていなければ倉庫内に霜がおりて、保管品に悪影響を及ぼしてしまうリスクが高まります。また、床面が凍結してしまい、作業員が倉庫内へ立ち入った際に転倒するなど事故の危険性が高まってしまうことも重要です。
氷点下にならない場合でも、適切な結露対策や湿気対策をしなければカビの発生といったリスクが増大します。
冷凍冷蔵倉庫では倉庫内の温度変化を最小限に抑えられるよう、作業員にはスムーズな作業が求められます。また、そもそも氷点下になっているような環境では長時間の作業が人体に悪影響を及ぼすため、労災リスクを低減するためにも安全な動線の設計やスペースの確保が不可欠です。
仮に自動倉庫システムを採用して通常作業をオートメーション化する場合でも、メンテナンスや検査の際に作業員が倉庫内へ入って活動するため、十分な配慮が必要となります。
冷凍冷蔵倉庫内は必然的に低温環境となるため、設置される機器や導入される設備についても低温下で問題なく動作するものを選ばなければなりません。
機械や設備には適切な動作環境の1つとして温度条件が定められており、低温環境に合致していないものは動作が不安定になったり、機械の内部に結露が発生して部品が錆びてしまったりといったリスクが増大します。
冷凍冷蔵倉庫でありがちなトラブルとして、エアコンや空調設備から放出されている冷気が倉庫内の全範囲に行き届かず、倉庫内に温度差や温度ムラが発生してしまうといったものがあります。
空調管理は倉庫の規模や体積に合わせた性能のものを導入することは当然として、保管用の棚や機器などによって空気の流れが遮断されて、冷気が隅々まで届かないといったことのないようにデザイニングやプランニングをすることが肝要です。
冷凍冷蔵倉庫の建設コストは、倉庫の規模やサイズはもちろん、必要とする温度条件によっても異なります。特に冷凍倉庫の場合は温度によって空調管理システムや導入に適した機器・設備の選定条件が厳しくなっていき、必然的にコスト面も増大していく可能性があります。
また、作業員が作業するのか、自動倉庫システムを導入するのかなどによってコストが大きく変動するため、建設コストをシミュレーションする場合は複数社から相見積もりを取るようにしてください。
冷凍冷蔵倉庫は適切な温度管理や品質管理、安全管理など様々な面において適正なマネジメントが欠かせない倉庫であり、何か1つの管理に不具合が発生した場合、保管品のすべてがダメージを受けて莫大な損害へつながるといったケースも想定されます。
そのため、冷凍冷蔵倉庫を新築する場合、作業の効率性や安全管理の確実性、作業員の負担軽減や労災事故防止を目的として自動倉庫システムを導入することも有効です。
ただし自動倉庫システムの導入には高額なイニシャルコストがかかるため、ランニングコストや作業の効率化によって得られるトータルのメリットを多角的に検討していきましょう。
引用元:西部電機公式HP
https://www.seibudenki.co.jp/
引用元:ダイフク公式HP
https://www.daifuku.com/jp/
引用元:村田機械公式HP
https://www.muratec.jp/
※Googleで「自動倉庫」または「自動倉庫 メーカー」と検索した結果から、自動倉庫システムの提供事業を営んでいる42の会社を調査。導入実績の掲載が公式HPにある14社をピックアップ。その中から下記の条件で3社を選出。(調査日:2024年2月22日)
西部電機:調査した会社の中で特殊仕様に合わせたクレーン数が最多。目的に合わせて自由にカスタマイズ可能
ダイフク:物流配送の導入事例数が最も多く、マテリアルハンドリング業界で売上高世界1 位(2024年2月時点)
参照元:ダイフク公式HP(https://www.daifuku.com/jp/company/news/2023/0516_01/)
村田機械:調査した会社の中で半導体製造において唯一クリーンルームの製造から管理配送までワンストップで対応
※1 参照元:西部電機マテリアルハンドリングシステム