危険物を保管する倉庫(危険物倉庫)では、保管する危険物の種類や等級によって様々な条件や基準が法的に定められており、危険物倉庫の建設においても法令を遵守していなければなりません。このページでは危険物倉庫について解説します。
危険物倉庫とは文字通り「危険物」を保管するための倉庫の総称です。消防法によって定義されている危険物について一定量を超えて保管する場合、その保管場所は「危険物倉庫」として法的な基準や要件を満たしていなければなりません。
危険物倉庫に関連した法律・法令は消防法だけでなく様々であり、危険物倉庫の建築においても適切な理解にもとづいたコンプライアンスへの配慮が必要です。
単なる一般論としての危険物でなく、法律的な用語として使われる「危険物」には明確な基準や定義が存在しています。
具体的には以下のような物質が危険物として扱われます。
危険物には灯油やガソリンといった物質が含まれますが、さらに個々の物質の特性や特徴によって複数の種類(第1類~第6類)に分けられていることも重要です。
危険物の第1類として扱われるものが「酸化性固体」であり、塩素酸塩類や亜塩素酸塩類、硝酸塩類など様々なものが対象となります。
第1類危険物は、可燃物と混合することで可燃物を酸化させ、発熱や発火、爆発といったリスクを高めたり現象を発生させたりするものが性質となっています。なお、危険度による分類でない点に注意してください。
第2類危険物は「可燃性固体」です。着火しやすく、燃焼性が高く、さらに発火した際の消火が困難な固体が第2類危険物として分類されます。
第2類危険物の具体例としては赤リンや硫化リン、マグネシウム、硫黄、また様々な金属粉や鉄粉などが第2類危険物に相当します。第2類危険物を保管する場合、それぞれの固体や金属の特性にも配慮しなければなりません。
第3類危険物は「自然発火性物質及び禁水性物質」です。第3類危険物は大気や水に触れることで、発火したり可燃性ガスを発生したりと危険性が高まります。
第3類危険物には固体や液体が含まれており、具体例としてはナトリウムやカリウム、黄リン、アルカリ金属といったものが存在しています。
必然的に第3類危険物の保管では空気や湿気、水分との遮断が重要です。
第4類危険物は「引火性液体」であり、さらに細かく言えば引火性を有する液体であり、引火点が「250度未満」となっている物質です。第4類危険物は火災や爆発のリスクを持った危険物であり、ガソリンや灯油、アルコール、食用油といった身近にあるものから、特殊引火物や工業的に利用されるような石油類まで幅広く存在しています。
第5類危険物は「自己反応性物質」と呼ばれる物質です。自己反応性物質は、可燃物と酸素供給体を含有する液体や固体であり、何らかの影響によって低温でも発熱したり、爆発的反応を起こしたりするリスクがあるため注意しなければなりません。
具体例としては、有機過酸化物や硝酸エステル類、ニトロ化合物などが第5類危険物として分類されます。
第6類危険物は「酸化性液体」であり、性質としては第1類危険物(酸化性固体)に近いと言えるでしょう。第6類危険物は、他の可燃物や危険物の燃焼を促進する液体の総称であり、過酸化水素や硝酸、過塩素酸といった物質が第6類危険物として分類されます。
なお、第1類~第6類危険物は消防法にもとづいた定義であり、市町村条例によって別に定められている「指定可燃物」などにも注意が必要です。
危険物を保管する倉庫や建物などの建築物は、必ず関連する法令等の基準を満たしていなければなりません。
危険物倉庫の建設に関する法令としては消防法の他にも建築基準法や都市計画法、港湾法など複数のものがあります。
都市計画法は建築基準法とは別に、土地の利用や開発、施設の整備といった街づくりに関する内容を定めている法律です。建築物や利用の目的に応じて住宅値や商業地、工業地といった区分を設けており、それぞれの目的が用途地域に適合していなければ建築物を設置することはできません。
建築基準法は、建築物の構造や用途、建てる方法といった様々な条件について定めている法律であり、都市計画法で区分される用途地域ごとに建築可能な建物の種類等が決められています。
危険物倉庫を建築可能なエリアは13種類ある用途地域の一部に限定されており、保管物の種類や量によって制限が一層厳しくなります。
消防法は火災リスクを軽減し、また火災発生時の被害を最小限に抑えられるよう様々な安全基準などを定めている法律です。
消防法では危険物の危険度や分類に応じて「指定数量」という基準が設定されており、指定数量に応じた危険物の貯蔵法や取り扱いの手順などが定められています。
なお、指定数量未満の危険物については各自治体が個別に定める市町村条例が適用されます。
臨海地区における土地利用区分や用途地域の規定については、建築基準法でなく港湾法の定めを受けることが特徴です。
臨海地区で危険物倉庫の建築を考える場合、港湾法の定めに則って建築エリアや各基準をプランニングしなければなりません。
下記ページでは危険物を扱う自動倉庫の導入事例を紹介しています。どのような点が改善したのか、何を得たのかなどを多角的に紹介していますので是非ご参考ください。
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危険物倉庫は保管対象となる危険物の種類や量といった条件、また建築するエリアや各種法令にもとづいて複数の建築基準が定められており、企画・設計段階から考慮しておくことが必要です。
危険物倉庫はそもそも建設できるエリアや場所が法律で指定されています。例えば学校や病院といった保安対象物に対して、危険物倉庫の建設地は一定の「保安距離」を保っていなければならず、具体的には学校や病院から30m以内に危険物倉庫を建てることはできません。
また危険物倉庫は非常時に備えて周囲に「保有空地」を設けていなければならず、危険物によって必要なスペース等が異なります。
危険物倉庫では火災リスクが通常の建築物よりも高く、非常時に被害が拡大しやすくなっています。そのため、建物の構造や建築資材についても不燃材料を用いたり、危険性のある液体が床に浸透しないよう対策したりといったルールを守らなければなりません。
その他、出入口や窓の周りに防火設備を設けたり、ガラスには網入りガラスを用いたりします。
危険倉庫は基本的に軒高6m未満の平屋として定められており、第2類及び第4類の危険物の一部については軒高20m未満まで規模を拡大することが可能となっています。ただし延床面積は1,000平米以下と定められており、保有空地なども考慮して設計しなければなりません。
火災発生時に備えて消火設備や換気・排煙設備といった設備も必要です。
特に、引火点70度未満の危険物を保管する危険倉庫では、可燃性蒸気を倉庫の屋根上に排出できるよう強制換気設備が必要となります。
また温度上昇に伴って自然発火する可能性のある危険物を保管する場合、通風装置や冷房機器など温度管理を行える設備が必要です。
危険物倉庫はそもそも建設の前段階から十分な法令遵守を意識しなければなりませんが、実際の運用においてもリスクマネジメントの徹底が重要になります。
たとえ建設物として安全基準を満たしている倉庫であっても、従事する作業員のミスや管理者の認識不足といったヒューマンエラーによる危険を排除できなければトラブルを予防することは困難です。
そのため危険物倉庫の新設を検討する場合、コンピュータや各種装置で保管品の管理や取り扱いをシステム化し、24時間体制で安全状況もモニタリングできる自動倉庫を導入してリスクをコントロールすることも有効です。
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引用元:西部電機公式HP
https://www.seibudenki.co.jp/
引用元:ダイフク公式HP
https://www.daifuku.com/jp/
引用元:村田機械公式HP
https://www.muratec.jp/
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参照元:ダイフク公式HP(https://www.daifuku.com/jp/company/news/2023/0516_01/)
村田機械:調査した会社の中で半導体製造において唯一クリーンルームの製造から管理配送までワンストップで対応
※1 参照元:西部電機マテリアルハンドリングシステム